とらふぐの漁獲と漁場、とらふぐの養殖
◎ふぐの漁獲方法には
釣り漁・・・一本釣、延縄
網 漁・・・底曳網、定置網、さし網
等がありますが、とらふぐの漁獲には底延縄、浮延縄がよく用いられます。
また、餌には冷凍のサンマ、イワシ、サバ等が使用されます。
◎とらふぐの漁場
・現在のとらふぐの主漁場は長崎県対馬周辺から山口県沖海域にかけての海域です。また、玄界灘、豊後水道、日向灘
瀬戸内海、遠州灘、熊野灘でも漁獲されています。
・とらふぐの漁獲量は減少しており、これは、産卵場である瀬戸内海沿岸の埋め立て、乱獲や外国船による漁獲の影響
といわれています。さらには、漁業従事者の減少による船数減少も要因の1つになっています。
・とらふぐ資源保護のため、各県では独自に禁漁期が決められており、漁のできる期間は大体10月~翌3月です。
・天然とらふぐ入荷量ベスト3(平成29年下関南風泊市場への入荷量)
1、山口県
2、福岡県
3、長崎県
◎とらふぐの養殖
・ふぐの養殖は山口県で最初に取り組みが行われ、とらふぐの短期養殖が1934年(昭和9年)に、1964年(昭
和39年)には当時の山口県水産種苗センター(現在の山口県内海栽培漁業センター)で稚魚の生産が開始されまし
た。
・一方、1965年(昭和40年)日韓漁業協定締結により漁場が拡大し、とらふぐの漁獲量が増加すると、養殖への
取り組みは下火になりました。しかし、その後の漁場の変化、また、乱獲や他国船によるふぐ漁の活発化により漁獲
量は減少していきました。
・これにともなって、昭和50年代後半から再び養殖が盛んになり、1990年代に入ると天然とらふぐと養殖とらふ
ぐの水揚高が逆転し、養殖物の0年代に入ると天然とらふぐと養殖とらふぐの水揚高が逆転し、養殖物の量はその後
も増加する傾向にあります。
・ここ下関でも、1979年(昭和54年)最初の養殖とらふぐが唐戸魚市場に上場されました。また、1990年
(平成2年)には、南風泊市場で養殖とらふぐ取扱量が天然とらふぐのそれを逆転しています。
・とらふぐの養殖は主に長崎県、熊本県、香川県、兵庫県等で行われ、約1年半飼育してから出荷されます。最近は各
地でふぐのブランド化の動きが盛んになり、それにともなって養殖場も分散するようになりました。
・養殖とらふぐの水揚量ベスト3(平成28年)
1、長崎県
2、熊本県
3、兵庫県
参考文献・資料
1、Wikipedia 「下関とふく」
2、「ふぐ」 第十一版 社団法人 山口県食品衛生協会
3、「第2回 トラフグ資源管理検討会議」資料
水産庁・公益社団法人全国豊かな海づくり推進協議会
4、「ふぐ」 三重県健康福祉部薬務食品室監修
5、下関唐戸魚市場株式会社・下関唐戸魚市場仲卸協同組合
創立六十周年記念写真集 「下関唐戸魚市場」
6、地域の入れ物
ふぐの養殖量の都道府県ランキング(平成28年)
7、下関唐戸魚市場株式会社資料